図書室 11月特集「先生のおすすめ本」

 11月の特集コーナーは「先生からのオススメ本」です。読書週間にあわせて、今年も10月29日から11月16日まで「秋の読書キャンペーン」を行います。

 そこで、「心に残っている本・皆に読んでほしい本」を先生方に教えていただきました。
 哲学や歴史などのためになる本から話題の小説まで、バリエーション豊富!!

 ぜひ読んでみてください。 (^_^)v

 

 

先生方からのお薦め本
(H24・秋の読書キャンペーンに寄せて)

 常本 直史 校長先生
   『
日中国交正常化~田中角栄,大平正芳,官僚たちの挑戦~』
   服

 1972年9月,戦後30年近く対立していた中国と国交が結ばれた。この国交正常化交渉は,その後も続く歴史認識,戦後賠償,台湾問題,尖閣諸島など日中関係の論点が凝縮されていた。また冷戦下,アメリカとの関係維持に腐心しながら試みられたものだった。本書は,外交記録,インタビューなどからこの課程を掘り起こし,政治のリーダーシップに着目し,政治家,官僚たちの動きを精緻に追う。現代史を探る意欲作である。

常本 直史 校長先生
  『
日本語教室』   井
 井上ひさしが生涯考え続けた,日本と日本語のこと。母国語と脳の関係,カタカナ語の弊害,東北弁標準語説,やまとことばの強み,駄洒落の快感・・・溢れる知識が,縦横無尽に語られる。「日本語とは精神そのもの。一人一人の日本語を磨くことでしか,未来は開かれない」― 母校・上智大学で行われた伝説の連続講義を完全再現。日本語を生きるこれからの私たちへの,“やさしく,ふかく,おもしろい”最後の言葉。

村松 保則 副校長先生
  『天然記念物の動物たち』  畑 正憲 著
 
高校生のときに読んで、動物関係の職業を目指そうとしたきっかけにな    った本です。(現実は、化学の関係に進みましたが)12種類の天然記念物の動物たちに直接関わる人々の現実の姿が、ムツゴロウさんの軽妙な語り口で表されています。

村松 保則 副校長先生
  『空白の五マイル(チベット世界最大のツアンボー峡谷に挑む)』
   
各幡 唯介 著
 
今の時代にも残っていた人跡未踏の渓谷に、初めて足を踏み入れた日本人が書いた迫真のドキュメンタリーです。開高健ノンフィクション賞も受賞した内容は、まだ見ぬ世界へのドキドキする旅立ちの思いをかきたてられます。

村松 保則 副校長先生
 
『白夜の大岩壁に挑む(クライマー山野井夫)』            NHK出版
 
2002年、ヒマラヤの難峰ギャチュカンからの奇跡の生還より5年、凍傷で手指の指を失ってもなお、北極圏グリーンランドの標高差1300mの未踏の大岩壁に挑む二人の姿を追った迫真のドキュメントは、山の美しさと厳しさを十分に感じさせてくれます。(山は良いぞ・・・)

村松 保則 副校長先生
 『「うま味」を発見した男(小説・池田菊苗)』 上山 明博 著
 第五の味覚「うま味」を世界で初めて発見し、「味の素」が生まれるきっかけをつくった化学者の波瀾万丈の生涯、そのドラマの陰には夏目漱石との友情がありました。池田博士の研究者としての姿とは別の面が興味深く描かれています。ぜひ、一読を。

寺岡 直樹 教頭先生
 『失楽園(ドレの版画版)』 原作 ミルトン 版画 ドレ
 ミルトンの大作をビジュアルに表現したカバー版です。

山本 廣康 先生
 『新しい日本の語り』   立石 憲利 著
 本校(落合高校)の先輩であり、日本民族学会の権威者である立石憲利さんの郷土を代表する盛り沢山の昔話。

矢吹 仁志 先生
 『落語的笑いのすすめ』
 桂  文珍 
 
文句なしに笑えるし、雑学も身につくような気がします。

矢吹 仁志 先生
 『新参者』
   東野 圭吾 
 
人間味のある加賀刑事の言葉に感動して涙が・・・。推理小説で・・・。実に面白い!

磯田 泰枝 先生
 『炊飯器でカンタンお菓子ふっくらパン』  学研 編
 
ホットケーキミックスを使って、簡単にできるお菓子がたくさん紹介されています。食欲の秋にピッタリの本だと思います。

武村 克彦 先生
 『聖職の碑』   新田 次郎 著
 
私が落高2年生の時、この本がきっかけで教員になる気持が高まった一冊です。教師になるもの、公僕たるもの、このくらいの気持がないといけないと考えさせられました。

武村 克彦 先生
 『梅干しと日本刀』  樋口 清之 著
 
ベネディクトの「菊と刀」が西洋からの視点なら、純日本人からの視点がこの本には見られる。

武村 克彦 先生
 『逆説の日本史』   井沢 元彦 著
 
歴史を逆から眺めてみると、意外なことに気が付くこともある。

寺坂 幸三 先生
 『ツナグ』     
 辻村 深月
 
最近、30年前に亡くなった祖母の夢を見ることがある。5年前から時々、声を出して語ってくれるようになった。昔話の語り部として数百の持ち話があり、知的な人。私は大好きだった。
 物語は「ツナグ」という特殊な能力を持つ媒介者が死者と再会し、様々な後悔を消化し、本当に大切なものは何かを問うものだ。また、意思の継承、世代の継承という意味でも、深い話だ。
 私は、「長男の心得」編で、家を継ぐ身として、三人の息子にどう「ツナグ」か考えている。祖父である私の父も、いつも孫の三人に言っていることだ。
 作品中、「『会いたい』と望まれた結果、かき集められた記憶の、意思を持った残像のようなもの」という、死者と再会する際のたとえがある。
 最近、夢で、語りかけてくれるようになった祖母も、このことなのかもしれない、と思った。

牧野 美穂 先生
 『阪急電車』     有川 浩 著
 この作品には、宝塚駅~西宮北口駅間を舞台に、その乗客たちが織りなすドラマが描かれています。乗客同士の出会いがとても素敵で、様々な人生模様を繰り広げながら成長し、次のステップに進んでいきます。最後はとても元気がもらえますヨ。

中山 順充 先生
 『頭がよくなる「図解思考」の技術』  永田 豊志 著
 ~自分の考えを整理し、わかりやすく伝える方法~
 社会に出たら必要とされる力ですが、学校ではなかなか教えてもらえないこと。小論文や面接、集団討議など進路決定の時にも役立つものです。

中山 順充 先生
 『高校生のための経済学入門』  小塩 隆士 著
 『読んだだけですっきりわかる国語読解力』後藤 武士 著
    いずれも高校生のみんなが「学習する」上で、難しいことを分かりやすく説明してくれている本です。

神田 俊朗 先生
 『高丘親王後悔記』  澁澤 龍彦 著
 
主人公の高丘親王が、幼い頃に引き離された憧れの女性との再会を夢見て、天竺(てんじく・インド)を目指して旅に出ます。東南アジアの密林を舞台に、摩訶不思議な物語が繰り広げられます。歴史好きな人、ファンタジー好きな人は是非。

行藤 茂樹 先生
 『1Q84』     村上 春樹 著
 今年のノーベル文学賞の最有力候補と言われていました。結果は残念でしたが、彼の小説は、日常と非日常が入り混じった不思議な世界が面白いです。 是非読んでみて下さい。

竹原 永二 先生
 『はなちゃんのみそ汁』 安武信吾・千恵・はな 著
   なにが本当に大切なものか考えさせられる本でした。 ぜひ一度読んでみて下さい。親の立場で読みましたが、高校生のみなさんがどんな風に読んだか感想を聞かせて下さい。とってもいい本でした。

檀  直美 先生
 『神去なあなあ日常』  三浦 しおん 著
 
高校卒業後、進路が決まっていない主人公は先生と母の強引なすすめで、神去村で林業の仕事につきます。最初は脱走をして村から離れようとしますが、その後、環境にもなじみたくましく成長していきます。努力をすれば報われるという言葉がピッタリな本です。

船津 洋子 先生
 『舟を編む』     三浦 しをん 著
 「辞書ってどうしてこんなに値段が高いのだろう。」正直そう思っていました。でも、辞書編集部が舞台のこの本を読んで、「それだけの価値はある。作ってくれてありがとう。」という気持ちになりました。辞書の編集は大変な労力がかかっているのですね。本の装丁も「なるほど!」でした。